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[研究日誌*1]スピノザ研究、始めよう。 [日誌]

 2022年11月4日


 今日も秋晴れの一日。爽快な気分で過ごしている。
 一昨日、3年ぶりに、大学時代からの友人T君に会った。目的は未発表の著作『ネクスト・デモクラシー』の普及のさせ方について相談するため。駅で会い、一緒に歩き出すなり、「すごいのを書いたね」と原稿をほめてくれた。「文章もとてもいいよ」とのこと。飲食しながらの対話で、内容にも賛成してくれているのがわかった。こうした一連の評価の言葉を聞き、とても安心した気持ちになった。彼は政治学への造詣も深く、同じ大学院にいたことで、研究能力の高さもわかっていたからだ。「このテーマで研究会を作るなら、参加するよ」とも言ってくれた。心強く感じた。
 この話が一段落つくと、彼は、「ところで、スピノザは、読んだことある?」と聞いてきた。おお、スピノザ!と思いながら、高校時代の読書経験を思い出し、「読んでいると、世界の見え方が変わってくるような感じがした。さわやかな気分に包まれ、ふしぎな気持ちになった」と言うと、うなずきながら「ドゥルーズも同じようなことを書いている」と言い、一冊の本を紹介してくれた。さらに、「スピノザは、政治学の面でも重要だと思う。人間のとらえ方が深いので」と注目する理由や、その人生のアウトラインを語り始めた。この話を聞き、自分もあらためてスピノザを読んでみよう、研究してみようという気持ちになった。
 今後につながるかもしれない一日だった。
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G・ドゥルーズ著/鈴木雅大訳
 『スピノザ 実践の哲学』(平凡社ライブラリー2002年)
(「序」からの抜粋)
「―― どうしておまえがスピノザを読む気になったのか、一つそのわけから聞くとしよう。スピノザもユダヤ人だったからかね。
―― いえ閣下、そうではありません。あの本に出くわしたときには、ユダヤ人だということさえ知りませんでした。それに、伝記をお読みになっていればおわかりでしょうが、シナゴーグではスピノザは嫌われ者も同然です。あの本は近くの町のくず屋で見つけて1コペックで買ったのですが、そのときは、あんなに稼ぐのに苦労した金をむだづかいしてしまったと半分後悔していました。しばらくたってから、ぱらぱら読んでみているうちに、急にまるでつむじ風にでも吹かれたようになって、そのまま読み続けてしまったのです。さっきも申しましたように、私には全部理解できたわけではありません。でも、あんな思想にぶつかったら、誰だって魔女のほうきに乗っかったような気になります。あれを読んでからの私は、もうそれまでの私とは同じ人間ではありませんでした……。(中略)
 スピノザは自分を自由な人間にしたかったということではないかと思います。できるかぎり自由に――といってもスピノザの哲学でいう〈自由〉です。わかっていただけるかと思いますが――それも、とことん考え抜いて、すべてのことを結び合わせて、そうしようとしたのだと。……
            マラマッド『修理屋』(1969年)  」
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 ◎「自分を自由な人間にしたかった…できるかぎり自由に」・・という表現に強く惹かれた。ドゥルーズのスピノザ論も読んでみようと思う。

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