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ウクライナ侵攻の原因について [平和論]

 2023年1月3日、同級生たちのメーリング・リストに送信したメールの中で、
以下のように論じました。同級生同士なので、吉成修太郎と記名しています。

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 ウクライナ侵攻について、私は以下のように見ています。
 主な歴史的原因は、冷戦終結後のロシアの経済的混乱・落ち込み・苦しみがプーチ
ンという危険な思想の持ち主を大統領として登場させたことにあります。これは、第
一次大戦後のドイツがたどった道と似ていますね。
 そのプーチンは、豊富なエネルギー資源を利用してロシア経済の立て直しを実現す
る一方、高い支持率を背景に軍事的にも強いロシアの復活を目ざしていきました。そ
の背景には、彼の強烈なナショナリズム、愛国思想があります。ロシア民族の誇
り・・これも、ヒトラーと共通していますね。
 彼は大統領就任後、いろいろな地域で軍事行動を起こしてきましたが、その延長線
上にウクライナ侵攻もあります。なぜ、この時期にウクライナか・・これは、プーチ
ンの年齢を考え、元気なうちにというのが、決定の理由だったようです。
 なぜ、ウクライナかと言えば、NATO陣営と対峙する上で、ウクライナは是非と
もロシア寄りの政権が支配する国であってほしいという動機があったと思います。ベ
ラルーシのような国であってほしいわけですね。そうなれば、事実上、大ロシアの復
活が実現できます。また、NATOに対する緩衝地帯にもなるので、ここは是非とも
欲しいと思っていたでしょう。当初は東部のロシア系住民を守るため、とか言って、
正当化していましたが、ゼレンスキー政権の打倒と傀儡政権の樹立が目的であったこ
とは明らかです。
 プーチンのNATOに対する恐怖心は非常に強いようです。被害妄想とも思えるく
らいに・・。ところが、それにもとづく行動が、逆にNATOの拡大を招いてしまっ
ているのだから、馬鹿なことをしているなあと思いますが。
 アメリカの責任もありますね。直前のバイデンの言動が抑止効果を失わせたという
こと、これも大きかったでしょう。さらに歴史をふりかえると、イラクなどでのアメ
リカのやり方を見て、軍事侵攻による政権のすげ替えをやってもいいんだとプーチン
が思うようになったという話もあります。
 ウクライナの人々の思いは、どうなのか。これも歴史をふりかえって、理解すべき
だと思います。長い話になるので、ここでは文献紹介にとどめておきます。
  黒川祐次『物語 ウクライナの歴史』(中公新書)が古代から現代までを
よく説明してくれているので、おすすめです。
                     吉成修太郎

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