ネクスト・デモクラシーの政体ビジョン [提言]
昨年(2022年)10月末に、新たな民主政体のビジョンを示す著作の原稿が
完成しました。その直後に以下の説明文を作成しました。
原稿については、今年3月に本および電子書籍として出版されることが決まり、
6月中に彩流社から刊行の予定です。
旧原稿の一部をサブ・ブログの「ネクスト・デモクラシーの研究室」にのせま
した。内容に興味を持たれたら、本全体を読んでみてください。
本または各章の感想をブログのコメント欄に書いていただけると、幸いです。
よろしくお願いします。
小宮修太郎
1. 著作の題名と目的
『ネクスト・デモクラシーの構想 ―新たな民主政体へ』
目的:①現在の自由民主主義政体に代わるべき、新たな民主政体の思想と
ビジョンを示すこと。
②同時にそれが、よりよき社会・経済への変革を促す拠点にもなる
ことを伝えていくこと。
2. 全体の構成
第1部 歴史をふまえ、現状を見つめて、未来へ
まず、ハンナ・アレントの政体変革論・評議会制論を紹介し、次に
国民国家の問題点と自由民主主義政体の来歴を述べ、最後に「民主主
義の危機・衰退」の因果関係を論じます。
第2部 ネクスト・デモクラシーの思想と構想
政体の基礎となる政治思想を述べ、アレントの評議会思想を説明し、
結合すべきローカル・デモクラシー、差異の政治(民族差別などの問
題)、経済の民主化などの諸側面を論じていきます。
第3部 新しい民主政体のビジョン
第2部の考察をもとにして作り上げた、あるべき民主政体の具体的な
ビジョンを提示します。その政体の基本法となる憲法試案も書きました。
最後に、新政体の基本的特徴と歴史的意義を述べて、まとめとしました。
3. 各種のポイントの説明
① アレントの変革論との関係
今回の著作は、ハンナ・アレントの変革論から出発するというスタイルをと
りました。それは、アレントの著作からヒントをもらい、評議会制を1つの軸
にしようと思ったからですが、付け加えた部分も多いので、全体としてはだい
ぶ違ったものになっています。特にアレントは、政治は政治、社会・経済の問
題は別の領域と峻別してしまうのですが、その点は大きく変えました。
② 評議会制を軸に・・と言う場合、その性格が一時的な革命の機関なのか、
平時の政体なのかを明確にしておくべきですね。アレントの著作や発言は、そ
の点がよく意識されていない感じです。私は平時の政体として書きました。
③ もう1つ大事な点は、平時の政体であっても、評議員になろうと立候補し
てくる人たちの質は現在の政党政治・地方自治とは大きく変わっていくだろう
と予想されることです。保守も右翼も参加するでしょうけど、よりよき社会へ
の変革に前向きな人々の割合が増え、その人たちがヘゲモニーを握れるだろう
な、と。
④ 全体としてですが、このビジョンはすべて、民主化革命やそれに準ずるよ
うな政治的大変動の後に実現されるべきものとして考えたものであり、それら
がもたらすであろう状況・政治的力関係の変化を前提にしています。
完成しました。その直後に以下の説明文を作成しました。
原稿については、今年3月に本および電子書籍として出版されることが決まり、
6月中に彩流社から刊行の予定です。
旧原稿の一部をサブ・ブログの「ネクスト・デモクラシーの研究室」にのせま
した。内容に興味を持たれたら、本全体を読んでみてください。
本または各章の感想をブログのコメント欄に書いていただけると、幸いです。
よろしくお願いします。
小宮修太郎
1. 著作の題名と目的
『ネクスト・デモクラシーの構想 ―新たな民主政体へ』
目的:①現在の自由民主主義政体に代わるべき、新たな民主政体の思想と
ビジョンを示すこと。
②同時にそれが、よりよき社会・経済への変革を促す拠点にもなる
ことを伝えていくこと。
2. 全体の構成
第1部 歴史をふまえ、現状を見つめて、未来へ
まず、ハンナ・アレントの政体変革論・評議会制論を紹介し、次に
国民国家の問題点と自由民主主義政体の来歴を述べ、最後に「民主主
義の危機・衰退」の因果関係を論じます。
第2部 ネクスト・デモクラシーの思想と構想
政体の基礎となる政治思想を述べ、アレントの評議会思想を説明し、
結合すべきローカル・デモクラシー、差異の政治(民族差別などの問
題)、経済の民主化などの諸側面を論じていきます。
第3部 新しい民主政体のビジョン
第2部の考察をもとにして作り上げた、あるべき民主政体の具体的な
ビジョンを提示します。その政体の基本法となる憲法試案も書きました。
最後に、新政体の基本的特徴と歴史的意義を述べて、まとめとしました。
3. 各種のポイントの説明
① アレントの変革論との関係
今回の著作は、ハンナ・アレントの変革論から出発するというスタイルをと
りました。それは、アレントの著作からヒントをもらい、評議会制を1つの軸
にしようと思ったからですが、付け加えた部分も多いので、全体としてはだい
ぶ違ったものになっています。特にアレントは、政治は政治、社会・経済の問
題は別の領域と峻別してしまうのですが、その点は大きく変えました。
② 評議会制を軸に・・と言う場合、その性格が一時的な革命の機関なのか、
平時の政体なのかを明確にしておくべきですね。アレントの著作や発言は、そ
の点がよく意識されていない感じです。私は平時の政体として書きました。
③ もう1つ大事な点は、平時の政体であっても、評議員になろうと立候補し
てくる人たちの質は現在の政党政治・地方自治とは大きく変わっていくだろう
と予想されることです。保守も右翼も参加するでしょうけど、よりよき社会へ
の変革に前向きな人々の割合が増え、その人たちがヘゲモニーを握れるだろう
な、と。
④ 全体としてですが、このビジョンはすべて、民主化革命やそれに準ずるよ
うな政治的大変動の後に実現されるべきものとして考えたものであり、それら
がもたらすであろう状況・政治的力関係の変化を前提にしています。